【2026年版】認証API 5社徹底比較
Auth0 / Firebase Auth / Clerk / Supabase Auth / LINE Login
Webアプリやモバイルアプリにユーザー認証を実装する際、認証APIの選択はセキュリティとユーザー体験に直結する重要な判断です。本ガイドでは、主要5つの認証APIを、無料枠・機能・ソーシャルログイン対応・MFA・開発者体験(DX)の観点から徹底比較します。
1. 比較サマリー
| API | 無料枠 | 有料プラン | ソーシャルログイン | MFA | SDK | 難易度 | 人気 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Auth0 | 25,000 MAU | $35/月〜 | 30+プロバイダ | 対応 | 10+言語 | 上級 | 88 |
| Firebase Auth | 無制限 | Blaze(従量課金) | Google, Apple, GitHub等 | 対応 | Web, iOS, Android, Flutter | 初級 | 90 |
| Clerk | 10,000 MAU | $25/月〜 | 20+プロバイダ | 対応 | React, Next.js, Remix | 初級 | 82 |
| Supabase Auth | 50,000 MAU | $25/月〜 | Google, GitHub, Apple等 | 対応 | JavaScript, Flutter, Swift | 中級 | 78 |
| LINE Login | 完全無料 | 無料 | LINEのみ | 非対応 | Web, iOS, Android | 初級 | 65 |
2. 各APIの特徴と強み
Auth0 - エンタープライズ対応の認証プラットフォーム
Okta傘下のAuth0は、エンタープライズ向け認証の決定版。Universal Loginによるブランドカスタマイズ、30以上のソーシャルプロバイダ対応、SAML/LDAP連携、きめ細かいRBAC(ロールベースアクセス制御)まで、あらゆる認証要件に対応します。Actions(旧Rules)によるフロー拡張も強力です。
- 強み: エンタープライズ対応(SAML, LDAP, SSO)、豊富なカスタマイズ、Universal Login、30+ソーシャルプロバイダ
- 弱み: 無料枠(25,000 MAU)を超えると高額、学習コストが高い、設定項目が多い
- おすすめ: エンタープライズ、B2B SaaS、高度なセキュリティ要件があるプロジェクト
Firebase Auth - Googleエコシステムの認証基盤
Google Cloud傘下のFirebase Authは、月間アクティブユーザー数に制限のない無料枠が最大の魅力。Firestore、Cloud Functions、Firebase Hostingとのシームレスな統合により、バックエンドをほぼ書かずに認証付きアプリを構築できます。
- 強み: 無料枠が最も寛容(MAU無制限)、Firebaseエコシステムとの統合、豊富なSDK(Web, iOS, Android, Flutter)
- 弱み: Google依存、細かいUIカスタマイズに限界、トークンカスタマイズが複雑
- おすすめ: スタートアップ、モバイルアプリ、プロトタイピング、Firebase利用プロジェクト
Clerk - 最高のDXを実現するモダン認証
React/Next.jsエコシステムに最適化されたClerkは、美しいプリビルトUIコンポーネント(SignIn, SignUp, UserButton, UserProfile)を提供。数行のコードで認証画面が完成し、開発者体験(DX)は群を抜いています。マルチテナント対応のOrganizations機能もSaaS開発に最適。
- 強み: React/Next.js最適化、美しいUIコンポーネント、最高のDX、Organizations(マルチテナント)
- 弱み: React以外のフレームワーク対応が弱い、比較的新しいサービス、無料枠は10,000 MAU
- おすすめ: Next.jsアプリ、SaaS、DXを重視するチーム
Supabase Auth - オープンソースの認証ソリューション
「オープンソースのFirebase代替」を掲げるSupabaseの認証機能。50,000 MAUの無料枠は主要サービス中で最大級。PostgreSQLのRow Level Security(RLS)との連携により、データベースレベルでのアクセス制御が可能。認証からデータ保護までを一貫して管理できます。
- 強み: 最大の無料枠(50,000 MAU)、PostgreSQL RLS連携、オープンソース、セルフホスティング可能
- 弱み: UIコンポーネントはClerkに劣る、エンタープライズ機能はAuth0に劣る
- おすすめ: フルスタックアプリ、コスト重視のプロジェクト、PostgreSQLベースのアプリ
LINE Login - 日本9,500万ユーザーへのリーチ
日本国内9,500万人以上が利用するLINEアカウントを活用した認証。LINE公式アカウントやLINE Messaging APIとの連携で、認証後のユーザーコミュニケーションまで一気通貫で実現できます。完全無料で利用可能。
- 強み: 完全無料、日本9,500万ユーザーへのリーチ、LINE Messaging APIとの連携、ログインのハードルが極めて低い
- 弱み: LINEアカウントのみ(他のソーシャルログインは不可)、海外展開不可、MFA非対応
- おすすめ: 日本国内向けサービス、LINE公式アカウント連携、toC向けアプリ
3. ユースケース別おすすめ
SAML/LDAP連携、SSO、きめ細かいRBAC、コンプライアンス対応が必要なら Auth0 一択。Okta傘下の信頼性も魅力。
MAU無制限の無料枠と、Firestore/Cloud Functionsとのシームレスな統合で、最小限のコストでスピーディにリリース可能。
プリビルトUIコンポーネント、Organizations(マルチテナント)、Webhookによるイベント連携で、SaaS構築の開発速度を最大化。
50,000 MAUの無料枠は業界最大級。PostgreSQL RLSとの連携で、認証とデータ保護を一元管理。オープンソースでベンダーロックインも回避。
LINE Loginでユーザー獲得のハードルを下げつつ、Firebase AuthやSupabase Authと組み合わせてメール/パスワード認証も併用するのが最適解。
4. 実装サンプルコード
Firebase Auth(JavaScript)
import { initializeApp } from 'firebase/app';
import { getAuth, signInWithPopup, GoogleAuthProvider } from 'firebase/auth';
const app = initializeApp({ /* config */ });
const auth = getAuth(app);
// Googleログイン
const provider = new GoogleAuthProvider();
const result = await signInWithPopup(auth, provider);
const user = result.user;
console.log('ログイン成功:', user.displayName);Clerk(React / Next.js)
import { SignIn, SignedIn, SignedOut, UserButton } from '@clerk/nextjs';
// レイアウトに認証UIを追加するだけ
export default function App() {
return (
<div>
<SignedOut>
<SignIn />
</SignedOut>
<SignedIn>
<UserButton />
<p>ダッシュボードへようこそ</p>
</SignedIn>
</div>
);
}5. まとめ:選び方フローチャート
- エンタープライズ/SSO要件がある? → Yes: Auth0
- Next.js/Reactで最高のDXが欲しい? → Yes: Clerk
- Firebase(Firestore等)を使っている? → Yes: Firebase Auth
- コストを最小限にしたい? → Yes: Supabase Auth
- 日本国内ユーザーに特化? → Yes: LINE Login + 他認証
迷ったらFirebase Auth(無料枠が最も寛容)またはClerk(DX最高)から始めるのがおすすめです。いずれもテスト環境が充実しており、数分で認証機能を組み込めます。